ClusterReplicaの動作環境と構成例

ClusterReplicaシステム要件

ClusterReplicaは以下のシステムに対応しています。

コンピュータ 最低2台のイーサネットで接続された Microsoft (2012/2008/2003/8/7)(32bit, 64bit対応)
メモリ 128MB 以上
ハードディスク 20GB 以上
サポートミドルウェア IIS 6.0/7.0, Microsoft SQL server 2012/2008/2005/Express

ご留意事項:ClusterReplicaでは、レプリケーションを行なうファイルが使用中であっても、ファイルを複製するため、WindowsのVSS(ボリューム シャドウ コピー サービス) 機能を使用しております。そのため、他のウィルスチェックソフトウェア(Symantec社のEndpoint Securityなど)やバックアップソフトウェアで同じVSS機能を使用する製品とのご併用はできません。


Tips: ネットワークの考え方

クラスタサーバーは、2台以上のコンピュータが一体となって、1システムとして機能します。クラスタに組み込まれたシステムは互いに連携しながら、1台がクライアントにとってのサーバーとして振舞います。サーバー間での内部連携をとりながら、クライアントへはサーバーとして通信を行なう設定が必要となります。
2つのタイプの通信をするために、ClusterReplica Enterprise では次のように使い分けます。


ネットワークカードの数


ネットワークカードが1枚の時 - ネットワークカードを1枚しか持たないシステムへClusterReplica Enterprise をインストールする場合、クラスタ間の内部通信とクライアントへのサービス提供のための外部通信を1つのサブネットで両方行なうことになります。

このような場合、クラスタ間の内部通信がクライアント・サーバー間の通信に常時影響を受けることが考えられ、データ処理スピードとデータ転送のセキュリティに問題があると考えられます。


ネットワークカードが 2枚の時 - クラスタを組むシステムにそれぞれネットワークカードが2枚ある場合には、クラスタ間の内部通信とクライアント・サーバー間の外部通信の分割することができます。そのため、クライアントへのサービス提供のためのトラフィックと完全に分離したクラスタ間の内部通信を確保することができます。

例えば、

123から始まるサブネットでは、クラスタシステム間の内部通信を、195から始まるサブネットでは、クライアント・サーバー間の通信を行なっているとします。

2枚のネットワークカードを使うことによって、セキュリティ面から見ると、内部通信と外部通信が分離されることよって、クラスタサーバー間の通信への干渉をなくし、データ転送が確実に行なえるようになります。

見方を変えれば、ネットワーク上のクライアントから見たサーバーパフォーマンスは著しく向上するとも言えます。2枚のネットワークカードを使うことによるメリットは、まず最初にネットワークトラフィックを軽減できること。2つ目として、それぞれのIPアドレスを使って行なう役割の効率が向上します。

ClusterReplicaの2つのWindowsシステムによる
冗長構成例


2つのWindowsシステムによる冗長化


1台のサーバー (Primary Master)で、IISとSQLサービスの両方が稼働しています。1台のSecondaryサーバーで、データを保護するためのリアルタイムレプリケーション と、Disaster Recoveryのフェイルオーバーを同時に行います。


Disaster Recoveryも目的としているため、2台目のシステムは、遠隔地の拠点に配置します。

ClusterReplicaの基本構成

MDaemonメールサーバー冗長構成例


システムは基本的に図のように配置されます。ここでは同一セグメント内に2台のマシン(メインとバックアップ)が配置されていますが、この2台は異なるセグメントへ配置することもできます。ディザスターリカバリを行う上では、2台が異なるセグメントに存在することも多くありますが、その場合は、DNSを使ってIPアドレスの切り替えを行い、フェイルオーバーを実現します。

ClusterReplicaの基本構成

Primaryサーバー(123.123.123.123) :
メインサーバーで、MDaemonとClusterReplicaの両方が稼働しています。


Secondaryサーバー(123.123.123.100) :
データのレプリケーション先である「レプリカ」であると同時に、Primary Masterに障害が発生した際、そのサービスを引き継ぐ、フェイルオーバー先としての役割ももっています。これを物理的に離れた場所へ配置することで、災害対策を実現します。 ClusterReplicaは稼働しており、Primaryサーバーの監視を行いながら、Primaryサーバーで生成されたメールデータをリアルタイムに同期しています。 MDaemonサーバーのサービスはこの時停止しており、データの同期を行うのに影響を与えません。


共有IP(123.123.123.101) :
クライアントがSMTPサーバー・POPサーバーのIPとして接続する先のIPアドレスです。PrimaryとSecondaryは、それぞれの実IPに加え、この共有IPをもちます。フェイルオーバーを行っても、この方法であれば、クライアント側の設定変更は必要ありません。


ClusterReplicaの3台構成例

2つのWindowsシステム上のデータを1台にレプリケーション


サーバーが2台あり、1台はIISウェブサーバーで、もう1台はSQLデータベースサーバーです。この2台のサーバー上のデータを、離れた場所にある1台のサーバーへレプリケーションします。

ClusterReplicaの基本構成

1つのWindowsシステムを異なる目的で2台にレプリケーション


サーバーを2カ所にある2台のサーバーへレプリケーションします。2台のうちの1台は、災害に備えたバックアップ用に、もう一台はサービス障害やサーバー障害に備えて、クラスタリングサーバーとして稼働させます。


ClusterReplicaの基本構成

ClusterReplicaを使った場合、上記構成のための新しいハードウェアの購入の必要はありません。現在稼働しているサーバーへClusterReplicaをインストールするだけで、上記構成が実現できます。